釈尊の聖言 「熱心」

 釈尊の聖言 
 ビクに熱心がなく、恥ずる心なくば、正覚を得、ニバーナに入り、無上の安らぎに至ることなし。
 「熱心」
 ビクとは出家の修行者である。出家とは持ち物として三衣一鉢、つまり最低の修道着(衣の事であるが本来は儀礼用に着るものではない)と托鉢によって(食を乞う)食を得るための鉢一つ。これ以上を貯えれば戒律違反。たて前として空き小屋か野宿。全くの最低生活で在家信者より豊かな生活は許されない。 
 少くともこの精神を保たねば釈尊の弟子ではない。仏教の開祖釈尊ご自身この線を貫ぬかれたのである。単に修行期間だけと云った見せかけのものではない。
 ここまでの修道生活の基本が行なえるようになったとしても、正覚、ニバーナ(仏教目的)に対して熱心でなければならない。まさに精進の連続である。ところが精進に勇めば必ず慢心が生じてくる。
 オレはお前達とは違うぞと云う。又認められない事への不満が頭をもたげる。熱心と恥じる心、車の両輪とでも云えようか。まさに釈尊はお見透しである。