原始仏教講座 第三講 その二十四

第三講 その二十四

これあるゆえに かれもありというのは、すべてのものは相互関係にあると、相関関係にあるということです。これ生ずれば かれ生ずというのは、人間が何故苦しみを感じるようになるか、人間の苦しみはどこから出てくるかという、苦しみが何故生じてくるかということを前提にして言われているわけです。人間が苦しむというのはどうしてかということ。無明によりて 行 生じ、ないし老死の苦悩あり。生れて年取って病気してやがて死んでしまうという苦しみ悩みが生じる。それがあるわけでしょう。ところが今は80まで生きるものだから、あまり死ぬという話は身近でなくなってしまう。しかも病院の片隅で死んでしまうもんですから、子供は人が死ぬということを見なくなっている。だから死ぬという話はずーっと分らずいってしまうんです。やたら年寄りの話だけになってしまう。年寄りの話は死ぬということから逆算されなければならないのに、死ぬという話が日本では抜けています。

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