この国の破綻は不可避だろう。  独りファシズムVer.0.1

この国の破綻は不可避だろう。

不正選挙によって成立した政治集団はリスクの排除ではなく既得権益の強化に狂奔しているのであり、国民国家の再生や存続など関心の埒外なのであり、グローバル資本を頂点とするヒエラルキーの中間支配者として、在任期間にどれだけインセンティブを最大化できるかがテーゼであるわけだ。

いまだ政党や議会が政治の本質であると信じている連中が多いのだけれど、繰り返し叙述したとおり明治政府の発足から現在に至るまで法制度の80%以上は、官吏が策定する内閣立法なのであり、残り10数%の議員立法ですら、日米経済イニシアティブ、対日改革要望書、日米経済調和対話、日本経団連政党評価表に規定された「準拠法」なのであり、議会制民主主義とは全くの虚妄であり、そもそもこの国においては支配が存在するのみであり、政治という概念は成立しない。

アベノミクスという低劣なキャッチが流布されているのだが、そのテクストであるレーガノミクスやクリントノミクスなどイズムの核心は福祉国家の解体戦略、あるいは「ワシントンコンセンサス」(自由貿易、非正規化、民営化、資本の自由化、多国籍企業優遇)による対外膨張政策に他ならない。

何度でも繰り返すが、現在この国で亢進されていることは、小泉改革に続く市場原理主義の第三次的政策なのであり、公から私への富の移転なのであり、ラテン・アメリカや旧ソ連をモデルとする略奪の典型スキームなのであり、つまり人為的な国家破綻により社会資本の略取を目論むというショック・ドクトリンの定型式だ。反論があるのならば、その論拠を挙証して頂きたい。

金融緩和や公共事業の拡大を手段とする愚劣な経済政策が盛り込まれているのだが、そもそもシュリンク(経済縮小)の要因は非正規就労の蔓延により月間2.5兆円規模で賃金が搾取され、個人消費の低迷が設備投資の不振となり、200兆円規模の莫大な内部留保血栓化し、これら滞留するマネーが国外で腐敗投機に運用され、経済市場から揮発していることによるものだ。

財政支出を増加させたところで、肥大化した行政部門のコストが国税地方税総額70兆円を上回るという破滅的な構造の解消が着手されることはないのだから、今後も170兆円ベースの公債発行は継続されるのであり、つまりこの国はアポリア(解決不能な問題)に陥っているのであり、おそらく10年内に破綻するのだと思う。

僅か60余の独立行政法人の債務が、260万社の企業活動に依拠する国家債務を上回るとおり、この国は官製経済が民間経済を上回るという異形のイデオロギーを呈しているのであり、社会資本の拡大再生産機能が完全な不全状態なのだから、むしろ滅びはロドルフォ・ウォルシュの提唱する「計画された苦難」であり、搾取の最終章と言えるだろう。

連鎖関係の密度は株式、債券、通貨の暴落をもたらすのであり、これらを外資ファンドが底値で取得することは歴然なのであり、経済支配が全領域的に達成されるのであり、むしろ破滅衝動とも見える財政規律の腐敗は、当初より支配同盟により目的化されていたと考えるべきなのかもしれない。いずれにしろ、全面崩壊を導く崩壊はすでに始まっている。

この政権の後には民主的手続きによる国民政権が誕生するのだろうが、それはおそらくアパルトヘイト後に成立したマンデラ政権に酷似したものになるのだと思う。

南アフリカでは白人種という既得権益集団が公共資源の全てを略奪し、90年代に入り有色人種による民主国家が誕生したときには、莫大な対外債務のみが残されていたわけだ。

教育も医療もインフラ整備も住宅供給も公共衛生も全ての社会計画が空無化し、失業率も貧困率も圧政当時より100%を超えて増加し、ついにはIMF支援を要請し、「ワシントンコンセンサス」の発動により植民地として再編されたのであり、第三世界の暗澹なデジャヴは我々の近似的未来に他ならない。
[2013/01/12 14:11]