最後は原発推進派が勝つ!

2011/05/25(水) 最後は原発推進派が勝つ! (3)
先月まで,私は一日に何回も文章を書いては,皆さんに読んでもらっていた.
それが今は,一日に一回という日が多い.
「飯山,何やってるんだ?」と,何人もの仲間が心配してくれる.

文章を一日に一回しか書けなくなった理由は,電話である.
とにかく深刻な電話が多いのだ.
最近は,鼻血,下痢,めまい,嘔吐,倦怠感など被曝の初期症状以外に精神疾患
が激増している.

3.11以来,2ヶ月半が過ぎても,放射能災害は一向に収束しない.
むしろ日々放射能地獄への恐怖は高まるばかりだ.
実際,東電福島の原発事故の現場は,日に日に悪化の一途をたどっている.
「もうイヤだ! いつまで放射能が降るんだ? 怖い! もう耐えられない!」
と,気がヘンになったとしても,これは仕方がない.

こうして2ヶ月半もの間,関東東北の住民は,放射能の恐怖に怯えてきた.
いっぽう,現実に濃密な放射性物質が降り注いでいるのに,脳天気な無関心層.
いや,実際は,脳天気でも無関心でもないのだ.
考えたくない!考えたって何もできない.忘れていたい!という思考停止派なのだ.

いま,意識の高い関心派と,思考停止の無関心派は,完全に分裂してしまった.
あまりの認識の違い(パーセプション ギャップ)に,「放射能離婚」といった悲劇的な
破局さえ発生している.
夫婦でさえこうなのだから,親しかった友人関係など簡単に終わりになってしまう.
「わざとらしくマスクなんかしてぇ.自分だけ助かりたいってわけ?」
とまで嫌がられるマスク着用者.
彼らが「諦め派」という「思考停止派」になるのは,時間の問題だ.

静かなる諦観.おとなしく静かに諦めることは,日本人の美徳とされてきた.
日本人は,どんな激甚な災害や天変地異に遭遇しようとも,静かに諦めてきた.
今回の大災害の最中,多くの外国特派員が,本国に次のように打電した.
「普通なら暴動が起こっても不思議ではないのに,日本人は文句も言わず黙々と
秩序正しく並んでいる….」

いままた,ふたたび,日本中が諦めはじめている.
前回は,大地震と大津波という自然災害に,日本人は,諦めきった.
今回は,放射能災害という人災(=「菅災」)に,日本人は諦めはじめている.
恐ろしいことに,これは,原発推進派の「計画」どおりなのである.

見事な「計画」であった.
原発推進派は,先ず,テレビをフルに使って「一億総諦観」を画策した.
この「計画」はドツボにはまり,一億人の日本人が深い諦観に沈んだ.
そして2ヶ月が過ぎ,3ヶ月が過ぎる頃,内部被曝は不可逆となる.

あとは黙っていても,時間の経過と共に,一億人の日本人が病気になる.
放射能疾患は,先ず,激しい倦怠感と下痢から始まる.
これで人間は無気力になる.「闘う」などということが不可能になる.
「一億総諦観」とは,じつは,「一億総無気力」ということだったのだ.
まさしく思う壺だ.

これ,原発推進派の完全勝利である.
http://grnba.com/iiyama/  飯山一郎のLittleHPより