最必要

   『最必要』            
自分にとって最も必要なものは何か
企業にとって資金が大いに必要な様に
家庭にとって愛情が大いに必要な様に
 誰だって健康が第一と数え上げる
 だが健康を目的とした人生ではあるまい
 体が不自由でも素晴らしく生きる人は多い
一つ一つ獲得してその上の必要ではなく
一つ一つ捨てていっても残すべき必要
それを探し求めるのが真の人生なのだ
               
 [最必要]−自分はという場合と人生はという場合はかなり違う。前者には客観性が少なく後者には客観性がある。自分を突き放して観察すれば、どうでも良い物や事柄をやたらと求めている事が多いのに気付いて苦笑するものだ。
  『人生への客観力は人生初期に持つべきである』
 人生は無一物で始まり無一物で終わる。だがその間を生きたいように生きればいいというものでもない。それでは空しいと感じる感性や価値意識があるからだ。オモチャや勲章を捨ててもなお残るものは何か、そこに人生がある。           田辺聖恵