原始仏教講座 第四講 その十

第四講 その十

わが本体というのは魂、魂というのはどういうものかというと、魂の概念規定三つあるわけです。常(じょう)、一(いつ)、主宰(しゅさい)ということです。常というのはつね、それは永久に変らない。永久不変である。自分の魂がちょろちょろ変ってしまうというのでは自分の魂とはいわれない、魂がもしあるとするなら、その魂は自分の魂は永久不変である。一というのは一つ、自分の魂は一つであると、あっちに自分の魂があるこっちにもあるというのでは困るというわけです。主宰というのは自分の魂が自分の主宰者であるということです。私の魂があるけど、私をどうすることも出来ないというのでは魂としても値打ちがないということになりますね。常、一、主宰という三つの内容を持っているものを魂とするというふうに魂の概念規定をするわけです、お釈迦様は。まさにこれは哲学的発想です。魂があるかないかの話の前に、魂とはどういうのものかとまず決めてかかるわけです。でないとあるかないか言われない。永久不変、自分の魂は一つ、そして自分の主宰者である、それが自分の魂であり自分のそれを本体というわけです。それをアートマンというわけです。

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