善悪と聖

    『善悪と聖』        
善が広まるのは残念な事に遅い
悪が広まるのは残念な事に早い
だが世間を諦める訳にゆかない
 善の中にも見せ掛けがあるし
 悪の中にも善の芽生えがある
 善でも悪でもないものもある
善と悪は比較的相対のものだが
真の善はいわゆる善悪を超える
世間を真実化してゆく所の聖だ
 
[善悪と聖] 便利さ早さ美的流行が大きな流れの中では何が善何が悪という判断が出来にくくなる。世間が善悪で動いていないからだ。善をすすめ悪を抑える社会でなければ、自己浄化力を失いやがて苦悩を増してゆくものになる。
    『善悪のみで聖意識の無い社会は滅びる』
 善の力が弱く悪の力が強いのは人それぞれに煩悩心があるからだ。その煩悩を超えるものは宗教的聖である。この聖への尊崇が善悪への判断力となる。その判断が自己浄化をもたらすのだが、聖への尊崇なき社会に期待はし難い。            田辺聖恵