初心賛

   『初心賛』        
その事に当たって初心
その人に当たって初心
その朝に当たって初心
 何時でも何所でも初心であれば
 ある程度の緊張と新発見がある
 心を込めた打ち込み工夫がある
初心である為には自分の整えが要る
もの事に感動するエネルギ−が要る
広い世界への驚きと畏敬の心が要る
 
[初心賛] 食う為に働くでは初心を感じる事もないであろう。仕事に追われるでは初心を楽しむ事も出来ないであろう。その事、その人に当たって初心である為には、その前後の色々な思いが、自ずとふっきれている必要がある。
   『初心である事の難しさが初心の本質である』
 体操選手が開始の直前に精神を統一する様に、初心はむしろ意識されねばならない。日常の心とはかなり違うものだからだ。そして初心をしばしば持つ事によって、日常の中にも初心を持つ事が出来る様になってくると言えよう。             田辺聖恵