流れの中で

  『流れの中で』       
現代という河の流れにいる
過去を引き継ぐ面もある
未来を作り出す面もある
 一人ひとりはさ細であるが
 しっかり生きねばならない
 歴史の一因子であるからだ
河の流れに押し流されずに
しっかり見詰めねばならない
浮草で終わらないためにもだ
             
[流れの中で] その視界が余りにも近辺的であれば、河の流れは見えない。それは浮草が遠くを見ようとしないのに似ている。人はその外が見えてやがて内が見え始めるものだ。外なる河の流れはそういう意味を持つものであろう。
   『どの様な流れにあっても己が生きる外はない』
 大きな河の流れは中流ほど流れが早く、脇の方ほど緩やかである。中流ほど脇目をふる暇も無いという事であろうか。現代から超越出来るものではないが、過去と未来を学ばねば、己の在り方も対処の仕方も判然とはしない。               田辺聖恵